冷え症と漢方
冷え症とは
「冷え」は、気候・風土等の外部環境の影響を受けて身体が冷えることです。漢方では、風・寒・湿と言います。また昨今は冷房とか冷飲食物など、身体を冷やす原因となるものが多くなりました。これらの冷えが私たちの身体を刺激し、冷えを中心とするいろいろな症候群を現わすときこれを冷え症と呼びます。
なぜ冷え症になるか
冷え、というストレス(刺激)を受けたとき、私達の身体がうまくこれに反応出来た 場合には、冷えによって病的な症状は起こりません。 しかし、身体に何らかの弱点があり、冷えに対して適応できない時は、病的な状態が発生します。また、身体に弱点がなくとも、冷えによる刺激をたびたび受けるとか 長期間受けたりすると、寒冷の侵襲によって 慢性的に冷えを中心とした症候群(冷え症)が起こり、これが体質的な弱点となることもあります。
体質的な弱点
身体が冷える原因として上記の寒冷などの外因のほかに次のような体質的な弱点(内 因)があげられます。
- 自律神経の機能失調:この結果、血管運動神経に異常が起こり血管の収縮拡張の調子が乱れ、血液の流れが悪くなり、循環障害を起こします。
- 心臓、腎臓等の循環器系の故障:このために血行が悪くなり、体温が低下して冷えるわけです。
- 身体の末端の知覚神経の興奮:この場合、寒さや冷たい風などの刺激に極めて敏感になるので、ひとしお冷えが強く感じられるわけです。 神経症・婦人病・心臓病のために神経をいためられ神経炎を起こしていると、こうなります。
- 各種ホルモンの分泌失調:ホルモン分泌のアンバランスが中心となり、特に副腎皮質の機能低下が冷え症の体質的な弱点に結びつきます。
- 貧血・低血圧症:血液中の血色素の減少とが末梢血管に至る血圧が低下し、全身的な冷えを感じます。
生活環境がつくる冷え症
日本の気候、日本人の食生活、体質は冷え症を多くする大きな原因となっています。
- 湿度が高い:日本に比べて西洋諸国の方が寒冷がきつい のに、日本に冷え症の人が多く西洋に少ないのは、年間を通じて日本は湿度が高いことがあげられます。
- 食生活:日本人は炭水化物、糖類、植物性蛋白質の摂取量が多く、体内に摂取されると持続的な熱発生を来たし、脂肪、動物性蛋白質の摂取が少ないのも冷え症の原因になっています。
- その他:
(イ)日本人は朝の味噌汁から漬けもの、塩魚まですべて塩分を含んだものばかりです。塩分は体内の水分の代謝を阻害し、水分の体表における蓄積を促進させます。多量の塩分摂取が水毒症体質の者を多くしていることも1つの原因です。
(ロ)体表に水分が多く蓄積されると、外因の冷えにより冷やされやすく、その反面身体があたたかくなると、皮膚からの汗の放出が盛んになります。汗の多量放出は熱の大量放散に通じ、これも身体を冷やします。
冷えに伴う病的な状態
冷え症は、冷えを中心とした症候群ですが、冷えに付随する症状と冷えによって起こる病名別にこれを分類しますと次表のようになります。
疾患 | 病名 | 主な随伴症状 |
---|---|---|
婦人科系疾患 | 子宮内膜炎・月経困難症・卵管炎・中絶後遺症 | 更年期障害・月経異常・妊娠障害頭痛・肩こり・疲れやすい・めまい・不眠・イライラ・尿利異常 |
運動器神経疾患 | 四肢神経痛・肋間神経痛・リウマチ様関節炎・腰痛・坐骨神経痛 | 痛み・しびれ・マヒ・ひきつり |
消化器疾患 | 急性胃腸炎・慢性下痢症・慢性便秘症 | 便秘・下痢・腹痛 |
泌尿器疾患 | 膀胱炎・腎盂炎 | 尿の出しぶり・排尿痛・排尿不快感 |
循環器疾患 | 貧血症・低血圧症・心臓衰弱・胃炎・ネフローゼ | めまい・頭痛(頭重)・疲れやすい・動悸・浮腫 |
冷え症の随伴症状の割合
東大病院分院の古谷博助敬授が、冷え症の随伴症状について調査した結果では、
肩こり27% | 頭痛10% |
生理痛16% | 便秘10% |
腹痛10% | 頻尿6% |
冷えを強く感じる部位では、以下のような割合となりました。
足 71% | 腰 55% | 臀部 11% |
- 冷え症の原因
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当帰四逆加呉茱萸生姜湯は手足の冷えを感じ、特に足の冷えが強い方の冷え症、しもやけ、下腹部痛、腰痛などを改善します。血液の流れを良くし、体の内部より温める働きがあります。
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症状と漢方薬
K.手足、肩、腰
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- こむらがえり
- 手足の冷え
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L.心(精神、ストレス)
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